*Any*

 
赤いほおずきを見ると

亡くなってもう20年近く経つけど

おばあちゃんのことを思い出します



美容師だったおばあちゃんはとってもお洒落さんで

当然　髪はいつも栗色にふんわり整えられて

お化粧もばっちりね

口紅を塗ったあとティッシュをはむっとする仕草

爪にはパールピンクのマニキュア



「これからの時代は女性もカッコよくなきゃ！
内またでちょこちょこ歩くなんて流行らないよ」 と・・・

直線の上を歩く練習なんてさせられたこともありました　笑


そんなおばあちゃんは小柄でころころ太ってたんだけど

女性を美しく変身させる魔法の指は

決して細く長くはないけれど　艶々でしなやかな指

そんなおばあちゃんがよく作ってくれたのが　ほおずき笛



熟したほおずきの実をやさしく揉みこんで

中の種を出すと笛になるのです


おばあちゃんは魔法の指でよ～く揉みこんで上手に種を出すんだけど

私は焦って皮が破れてしまう

結局はおばあちゃんが作ったほおずき笛を全部私が取り上げて

ぶぅ～　ぶぅ～　鳴らしてたな



あのときの　青臭い風味まで鮮明に思い出す

・・・　赤いほおずき　・・・




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